最終的な仕上げでもある漆技法 |
漆器として直接、目にする最後の仕上げをするための技法です。 永い歴史の中で、産地固有の産地名がついた塗り方や、その時代を映す技法など数多くの技法があります |
塗りたて |
塗り立て、塗り放し(ぬりっぱなし)、花塗(はなぬり)とも言う
油を含んだ漆を使い刷毛塗した後、乾燥させるだけの塗り方です 油を入れた漆を使うのは、塗った後は何もしないため、表面はそのまま見せることになります。油が入ることで表面に艶(つや)が出て漆独特の光沢が生まれます 真塗(しんぬり) 本来は黒漆の塗り立てを指しました 現在では、油を含まない呂色(ろいろ)漆の塗り立てを言います。色は黒呂色、透呂色に顔料で彩色したものがあります。 呂色漆を使いますが、砥ぎ出しはしないため塗った人の技量がそのまま現れます。小さなゴミやホコリを嫌い、刷毛目が残ればそのままとなるため塗り手にとってはごまかしの効かない細心の注意が必要な塗り方でもあります |
呂色(ろいろ) |
呂色(ろいろ)蝋色とも書く 油を含まない黒又は彩漆を塗り立てし、表面を研いでから摺り漆を数回行い、磨き仕上げを行ったものです。 蝋のようなしっとりとしたツヤのある深みの有る仕上がりになります 研ぎ出しは通常木炭を使用しますが、摺り漆を重ねる毎に炭の質を変える場合もあります。木炭の材質(朴の木など)により炭の硬度が異なり、仕上げに近づくほど木目の細かさが必要になるからです 摺り漆(すりうるし)拭き漆(ふきうるし)とも言う 生漆を布や綿などで木地に摺りこみ、ムラになっている余分な漆を紙でふき取り乾燥させ、通常はこの作業を7〜8回繰り返します 呂色(ろいろ)仕上げに用いる場合と、木目を美しさをきれいに見せるために行われます 摺り漆の質は、使用する漆の質と摺りこむ回数、摺りこみ方で大きく変わります。丁寧な仕事ですと上質な国産漆を使い、たんぽ摺りを均等に何度も行い、この工程を十数回も繰り返すことがあります。銘木の杢(もくめ)を際立たせる技法です |
変わり塗 |
変わり塗 鞘塗(さやぬり)とも言う 江戸時代に盛んになった名前の通りの変わった塗り方で、多くの種類があります 武士の命とも言える刀を収める鞘(さや)は、戦国の世の時代よりも実用品から装飾性の高いものになり、多くの変わり塗を生みました 素地は竹ではないのに竹に似せた竹塗や牡丹絞塗、七々子塗、磯草塗、黄立塗、松皮塗、布目白檀塗、卵殻塗等々があります。 変わり塗のページへ ⇒ |
加飾 |
うるしを塗った器物に文様など装飾することを加飾と言います 代表的な蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)をはじめ芸術性の高い多くの加飾法で飾られ、重要文化財(国宝)に指定された作品などは美しい絵柄が楽しめます 蒔絵 (まきえ) 漆で絵柄を描き、そこに金、銀、錫の金属粉や色粉を蒔き付け文様を作ります |
平蒔絵(ひらまきえ) |
基本となる蒔絵です 絵漆を筆で絵柄を描き、金属粉や色粉を蒔き付け、余分な粉を取り除き乾燥させます。 乾燥後に摺り漆を行い蒔絵粉で磨き上げます |
高蒔絵(たかまきえ) |
炭粉や錆漆を使い絵柄の部分を高く盛り上げていきます
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研出し蒔絵(とぎだしまきえ) |
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肉合研出蒔絵(ししあいとぎだしまきえ) |
高蒔絵と研ぎ出し蒔絵を組み合わせた技法です
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材料の薄貝 |
青貝(あおがい) |
平文(ひょうもん) |
沈金(ちんきん) |
蒟醤(きんま) |
石目(いしめ) |
堆朱(ついしゅ) |
箔絵(はくえ) |
存清(ぞんせい) |
堆錦(ついきん) |
卵殻(らんかく) |
産地名のついた塗 |
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津軽塗、浄法寺塗、能代春慶、川連漆器、鳴子漆器、会津塗、日光漆器、鎌倉彫、高岡漆器、輪島塗、山中塗、飛騨春慶、越前漆器、
京漆器、紀州漆器、香川漆器、八雲塗、琉球漆器などがあります |
産地について更に詳しくご覧になれます |
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